内閣府ホームページから「重要通達」「5万円給付金」メールは詐欺か検証
2024年1月27日頃より、内閣府ホームページから「重要通達:生活費上昇に対応するための経済支援給付金」「【5万円給付金】電力・ガス・食品等価格高騰緊急支援給付金のご案内」というメールが届いたという声があがっています。
内容を確認すると、どちらも5万円給付金があるため申請をしてくださいというもの。
そもそも、内閣府とは何なのか?
なぜ内閣府がメールアドレスを知っているのか?
内閣府ホームページからのメールは本物なのでしょうか?
本記事では、内閣府ホームページから届いた「重要通達」「5万円給付金」メールは詐欺か検証。
開いてしまった、クリックしてしまった時の対処法をまとめています。
目次
内閣府ホームページから「重要通達」「5万円給付金」メールが届く
2024年1月27日頃より、内閣府ホームページから給付金のメールが届くという事案が発生しています。
あまり聞き慣れない「内閣府」という言葉に驚いた方も多いのではないでしょうか。
内閣府ホームページより届くメールは、大きく分けて2パターンあります。
・「重要通達:生活費上昇に対応するための経済支援給付金」
・「【5万円給付金】電力・ガス・食品等価格高騰緊急支援給付金のご案内」
また、メールによっては若干内容も変わっています。
いずれの内容も、給付金が5万円あるというもの。
2月末までに申請してくださいという内容になっています。
そもそも内閣府ってなに?
そもそも、内閣府ってなに?どこで何をするところなの?という方もいるかもしれません。
まず、内閣府というのはちゃんと実在する機関です。
ホームページには、以下のように記載されています。
内閣府は、内閣及び内閣総理大臣の主導による国政運営を実現する ため、内閣総理大臣の補佐・支援体制の強化を目指して平成13年(2001 年)に設置された内閣総理大臣を長とする内閣の機関です。 行政事務を分担管理している各省より一段高い立場から、国政上の重 要な政策について企画立案・総合調整等を行っています。
引用元:https://www.cao.go.jp/
簡単に言うと、国政の基本にかかわる重要な課題から国民生活全般にわたる分野まで幅広くカバーしている日本の行政機関なのです。
内閣府ホームページ「重要通達」「5万円給付金」メールは本物か検証
今回届いた、内閣府ホームページからの「重要通達」「5万円給付金」というメール。
内容が給付金5万円となっているだけに、かなり気になる内容ですよね。
もし本物であれば、絶対に申請しておきたいところ。
しかし、なぜ内閣府がメールで送ってくるのか?という疑問が出てきます。
そもそも、なぜメールアドレスを知っているのか・・・?
そこで、本物なのか偽物なのか様々な観点で検証していきたいと思います。
※興味本位で検証するのは非常に危険です。
今回は、安全管理をした上で行っていますので真似しないようにしてください。
検証1:届いたメールの差出人を確認する
まずは、届いたメールを確認してみましょう。
メールが届くということは、必ず送信元が表示されるはずです。
今回はメールアドレスに届いていました。
差出人を確認してみると・・・。
差出人は「内閣府ホームページ」となっており、メールアドレスは「myna-go-18@e-mail.jp」となっています。
「マイナ」とはいっていますね。
明らかにアドレスやドメインが不自然ですが、これだけでは判断できません。
検証2:記載されているURLを調べてみる
次に確認できるのは、記載されいるURLです。
メールには「https://cao-go-japan~」と記載されていました。
実はこのURL、内閣府の公式ホームページとかなり似ているんです。
内閣府の公式ホームページは「https://www.cao.go.jp/」となっており、「.」と「-」が違っていました。
URLもかなり不審ですね。
検証3:記載されているURLをクリックしてみる
では、実際にクリックするとどうなるのでしょうか?
マイナポータルと書いたサイトが出てきました。
電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金(5万円/1世帯)のご案内
受給には手続きが必要です。住民税均世帯等の皆さまへ
電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金(1世帯あたり5万 円)急変のあった世帯を支援する新たな給付金です。
給付金を受給するためには、手続きが必要です。
というような内容が書いてあり、ページの下にはログインボタンがあります。
試しにログインボタンを押してみました。
マイナポータルへログインするためのメールアドレスとパスワードを求められます。
適当に入力してみます。
名前、住所、電話番号。
給付金を受け取るためのクレジットカード情報の入力を求められました。
実在しないメールアドレス、パスワードにも関わらずログインできたこと。
なぜか求められるクレジットカード情報・・・。
明らかに不審点しかありません。
検証4:マイナポータルに問い合わせてみる
不審な点はたくさんあるものの、100%詐欺とは言い切れません。
もしかすると本物の可能性も1%ぐらいはあるかもしれないですよね。
本物かどうか確認するには、問い合わせを行う必要があります。
今回は、マイナポータルということでデジタル庁へ問い合わせをしました。
結論、「メールは送っていない」という回答がありました。
そもそも、内閣府からメールを送ることはありえないこと、給付金が本当にあったとしてもメールでは送らないということも回答をいただきました。
つまり、今回のメールは詐欺であることがわかったのです。
内閣府ホームページ「重要通達」「5万円給付金」メールはフィッシング詐欺
結論から言うと、内閣府ホームページから「重要通達」「5万円給付金」メールは詐欺です。
典型的なフィッシング詐欺メールですね。
今回の場合、メールアドレスやパスワードを入力すると個人情報の入力を求められます。
さらには、クレジットカード情報入力も求められます。
ここで情報を入力してしまうと、クレジットカード情報を盗まれて悪用されてしまう恐れがあります。
もしもメールアドレスやパスワードを実際に使用しているものを入力していれば、それらも含めて「入力したすべての情報」が悪用されるかもしれないのです。
メール・リンクを開いてしまった時の対処法
実際にメールが届いた方は、既にメールを開いてしまっているかと思います。
まず、メールを開いただけでは個人情報などが盗まれることはほぼありません。
ただし、使用しているメールアドレスという認識をされてしまい、今後迷惑メールが増える可能性があることは覚えておいてください。
既にURLをクリックしてしまった、開いてしまったという場合。
すぐにブラウザを終了してページを閉じるようにしてください。
くれぐれも情報入力はしないようにしましょう。
メールを開いたときと同様に、使用されているメールアドレスと認識されてしまった可能性はあることも覚えておいてください。
情報を入力してしまった時の対処法
もしも、自分自身や周りの知人などが情報を入力してしまった・・・という場合。
クレジットカード情報を盗まれてしまう恐れがあり、早急に対応しなくてはいけません。
1秒でも早く対処しないと、不正利用による高額な請求が来る可能性があります。
この手の業者はとにかく早いので、時間勝負だと思ってください。
今すぐにやるべきことを以下でまとめます。
入力したクレジットカード会社へ問い合わせてカードの停止をする
まず、早急にやるべきことは情報入力をしてしまったクレジットカード会社への連絡です。
例えば、楽天カードのクレジットカード情報を入力してしまった場合。
楽天カードのクレジットカード問い合わせ窓口へ連絡をしてください。
カードの利用停止、再発行をしてもらう必要があります。
この時、グーグルなどで「楽天カード クレジットカード 問い合わせ 電話番号」というような感じで検索してください。
そうすることで、問い合わせ先の電話番号を知ることができます。
メールアドレスの変更
情報を入力してしまったということは、メールを開いている、リンクをクリックしていることになります。
ログイン情報として本物のメールアドレスやパスワードを入力してしまった場合。
それらの情報を使って、別のサービスへログインされてしまう恐れがあります。
特にメールアドレスやパスワードを使いまわしている方はかなり危険です。
まずは、同じメールアドレスやパスワードを使っているサービスの登録情報変更を行ってください。
他のサービスにログインできないようにする必要があります。
できれば、入力してしまったメールアドレスは廃止しましょう。
フィッシング詐欺に関する相談をしたい方へ
フィッシング詐欺というのは、あらゆる手口を使ってきます。
今回のように、有名な企業名を使ったり、URLを公式ホームページのように見せてきたりすることも少なくありません。
一度メールが届くと、今後もフィッシング詐欺メールは届くことが多いです。
気にしなければいいのですが、やはり不安に感じることもあるかと思います。
フィッシング詐欺には、様々な窓口が用意されています。
情報を入力してしまった後にやるべきことなども案内してくれますので、不安な方は問い合わせてみてください。
以下にリンクを貼っておきます。
■IPA(情報セキュリティ安心相談窓口)のホームページはこちら
あくまで相談窓口であり、入力してしまった情報を消すということはできません。
情報を入力してしまった場合は、利用しているサービスへの相談や自分自身でアドレスをかえるなどの対処をするしかないのが現状です。
思い当たる節がある、思い当たる節がないという場合でも、メールに記載されているリンクは絶対にクリックしないようにしましょう。
必ず、グーグルなどで検索して公式ホームページからアクセスするようにしてください。