フィギュア羽生結弦は4回転アクセル(4A)跳べる?基礎点は?5回転ジャンプは?
羽生結弦(はにゅう ゆづる/ゆづ)選手が300点越えをしたことで、新世紀へと突入した男子フィギュアスケート界。
4回転ジャンプが必須になってきている中、「4回転アクセル(4A)」の成功を期待する声が聞かれます。
果たして羽生結弦選手は4回転アクセルを将来跳べるようになるのでしょうか?
過去の偉大なスケーター、エフゲニー・プルシェンコ、アレクセイ・ヤグディンは跳べたのでしょうか?
また、人間が5回転ジャンプを跳ぶというのは可能なのでしょうか?
基礎点などの紹介もあわせて男子フィギュアスケーターのジャンプを徹底考察してみました。
目次
男子シングルのフィギュア界は新しい時代へ
2015年11月28日から行われていたグランプリシリーズ「NHK杯」。
そこで羽生結弦選手がノーミス演技をして「トータル322.40」という世界最高得点を記録して優勝しました!
FSのみでも216.07と200点越えの世界最高得点を出しています。
【追記】
その1週間後に行われた「グランプリファイナル2015」であっさり世界記録を塗り替えてしまいました。
トータル330.43点(ショート110.95/フリー219.48)という記録でした。
ここで披露した美しい4回転ジャンプが「4回転トウループ(4T)」「4回転サルコウ(4S)」の2種類です。
さらに、中国のボーヤンジン選手が4ルッツ(4Lz)を軽々決めるなど、男子フィギュアスケート界はどんどん進化しています。
進化していく男子フィギュア界で次に期待されるのは「4回転アクセル(4A)」を跳ぶ選手が出てくるか、というところ。
また、4回転ジャンプでは「4回転ループ(4Lo)」「4回転フリップ(4F)」もまだ公式に認定されている選手はいません。
・・・と思っていたら、2016年4月23日に宇野昌磨選手が「チームチャレンジカップ(TCC)」の大会で4回転フリップを成功させ、認定をうけました!
すごい!!!
Slo-mo of slo-mo of Shoma Uno's historic first quad flip in competition!https://t.co/swhsJHK5GG #TeamChallengeCup pic.twitter.com/uWc45FlLVG
— Jackie Wong (@rockerskating) 2016年4月23日
NHK杯2015でSP・FS共に4回転ジャンプをノーミスで滑り切った羽生結弦選手。
助走の短い美しいトリプルアクセル(3A)を持つ彼ならいつか4回転アクセルも跳んでくれる!という期待が集まっているんです。
ジャンプの種類による難易度や違いは?
フィギュアスケートのジャンプは跳び方の種類によって難易度が違います。
トゥループ<サルコウ<ループ<フリップ<ルッツ<アクセル |
上の順で難易度が上がっていきます。
アクセルジャンプは特に難しいジャンプ。
前向きに踏切って後ろ向きに着氷する必要があるため、必然的に半回転多く回らなければいけません。
反対にトゥループは最初から半回転回っているような状態で跳べるジャンプ。
そのため難易度としては一番低くなっています。
4回転ジャンプ自体難しいのですが、跳べる選手にとってさらに難易度が上がるのは「ループ」からのようです。
4回転ループは「ティモシー・ゲーブルさん」や「本田武史さん」が過去跳んでいたそうです。
さらに、カナダの「ケヴィン・レイノルズ選手」も挑戦していますね。
しかし、試合での成功者は1人もいません。(2015.12.3時点)
4回転フリップは2010年の世界選手権あたりから高橋大輔さんが挑戦していましたね。
試合で成功させることはできずに引退してしまいましたが・・・・。
その一方で、中国のボーヤンジン選手はループフリップ飛ばして4回転ルッツを決めてしまっていますがww
4回転ルッツ+3回転トゥループも決める、まさに天才ジャンパーです。
ちなみに4回転ルッツは2011年にアメリカの「ブランドン・ムロズ」選手も成功させています。
ループを飛び越えてルッツのほうが跳びやすいのでしょうかw
そんなことを考えていましたら、村上大介選手がなんと4回転フリップ(4F)を練習していました!
以下は2015年12月22日にVineに上がった動画です。
今後4回転もやばい時代に突入しそうな予感がありますね!
羽生結弦が跳べる4回転は?
そして羽生結弦選手!
試合で構成に入れてきているのは「4トゥループ」「4サルコウ」までですね。
しかし!アイスショーでは4回転ループを何度か成功させたことがあります!
2015年5月29日~31日にかけて行われていた「Fantasy on Ice 2015 in MAKUHARI(幕張)」でのこと。
フィナーレで大勢のトップスケーターたちがそれぞれ技を披露する中で、羽生結弦選手は「4回転ループ」を軽く跳んでみせたのです。
そうそうたるメンバーの中、リラックスした感じで決めています。
着氷がクリーンで確実に加点がもらえるほどの出来栄え!
まだ試合では跳んでいませんが、構成に入れるために練習中だそうですよ。
【追記】
さらに「グランプリファイナル2015」のエキシビション後にも4回転ループを披露しました。
4回転アクセルの基礎点は?
トリプルアクセルも難しいといわれていたフィギュア界。
4回転アクセルの基礎点なんてチェックしている人の方が少ないですよねw
まずはトリプルアクセルと全4回転の基礎点を見てみましょう。
ジャンプの種類 | 基礎点 |
---|---|
トリプルアクセル | 8.5 |
4回転トウループ | 10.3 |
4回転サルコウ | 10.5 |
4回転ループ | 12.0 |
4回転フリップ | 12.3 |
4回転ルッツ | 13.6 |
4回転アクセル | 15.0 |
4回転アクセルの基礎点はなんと「15.00」!
さらに加点幅も違っています。
4回転アクセル | |
---|---|
GOE加点 | +3=3.6 +2=2.4 +1=1.2 |
アンダーローテーション(<) の場合 | 10.50 |
4回転アクセルはアンダーローテになっても4回転サルコウの基礎点と同じ点数をもらえます。
GOE加点も他の4回転ジャンプが3.0~1.0なのに対しアクセルのみ、より高い加点が与えられます。
ここからも難易度の高さが分かりますね。
過去4回転アクセルに挑戦した選手はいる?
おそらく4回転アクセルまで練習している選手が少ないと思います。
しかしその中で、過去挑戦していたスケーターもいました。
羽生結弦も憧れる皇帝「エフゲニー・プレシェンコ」さん
ソルトレイク五輪金メダリスト「アレクセイ・ヤグディン」さん
が過去4回転アクセルに練習していたそうです。
お二人ともフィギュア大国ロシアの選手ですね。
しかしながら、4回転アクセルへ挑戦は2人とも断念してしまっています。
エフゲニー・プルシェンコ
「4回転アクセルは、回りきるぐらいまではいったが着氷の衝撃が目から火が出そうな感じで、負担が大きい」
アレクセイ・ヤグディン
「4回転アクセルは、練習の時点で命の危険を感じたので辞めた」
と言っていたみたいです。
伝説のトップスケーターにここまで言わせる4回転アクセル。
しかもジャンプを特に得意としていた2人ですw
挑戦するだけでもすごいということですね・・・・!
羽生結弦は4回転アクセルを跳べるのか?
羽生選手憧れのプルシェンコさんも断念した4回転アクセル。
果たして羽生結弦選手は跳べるようになるのでしょうか?!
羽生結弦選手は2014年4月頃の時点で既に、4回転アクセルを練習しています。
しかし、4分の1回転不足くらいでの着氷となっているとか。
なかなか回転不足なしで跳ぶには難易度の高いジャンプであることは間違いありません。
実は、2015年6月に出演した「DOI(ドリームオンアイス)」のフィナーレで、無良選手とともに4回転アクセルに挑戦しました。
最初に跳んだのが無良選手、その後に羽生結弦選手が跳んでいます。
なんでも羽生選手が無良選手に「4A跳んでみよう」と持ち掛けたとのことw
転倒して客席に突っ込んでしまいましたが・・・
「あとちょっと!」とジェスチャーしているように、本当にもうちょっとで跳べそうな感じですね!
ただ、インタビューでも「4Aの練習はあくまで自分の士気・実力を高めるため」にやっていると言っています。
現段階ではまだまだ試合で入れることは考えてないようです。
次に入れてくる4回転は猛練習中のループ。
それが安定して跳べるようになったら、4回転アクセルについて考えていくのではないでしょうか。
とはいえ、4回転ジャンプの着氷は膝に負担がかかります。
2階の高さくらいから飛び降りるほどの衝撃だとか・・・。
となると、4回転アクセルを跳ぶなると、体にかなりの負担がかかりますよね。
人間が5回転ジャンプを跳ぶのは可能?
これまで4回転アクセルの難易度について語ってきましたが、5回転ジャンプを跳ぶジャンパーというのは将来現れるのでしょうか?
実は科学的にフィギュアスケートのジャンプを分析すると、人間が跳べるジャンプとして5回転までは可能らしいです。
逆にいうと、人間の身体が耐えられるのは5回転までだそうです。
このことは小塚崇彦選手も大学時代に研究していて、その持論を語っていました。
5回転ジャンプはまさに未知の領域。
想像するだけでちょっと怖いですw
ちなみに5回転ジャンプの基礎点は、まだISUで設けられていません。
今のところ、誰も跳べるとは思ってないということですねw
とりあえず羽生結弦選手が4回転アクセルを跳ぶところを見たい!
しかし、無茶をして体を壊さないようにしてほしい・・・・・。
ファンとしてはここに葛藤がありますが、決めるのはあくまで本人です。
今後も羽生結弦選手の挑戦を見守っていきたいと思います!